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雨に季節にむけて

2015.06.08 山形 誠

『8』のつく日担当の山形建築研究所、山形です。

今日は午後からリフォームのご相談でした。打合せの合間にとなりに建つ平屋建て屋根が気になって・・・これから雨の季節に入りますからねェ。

事務所に戻ると『関東甲信地方が梅雨入りしました』とのこと・・・んーん、タイムリー。雨にちなんでちょっとだけ思うことを書いてみます。

 

日本語にはありませんが、ラテン語系の言葉では名詞には女性名詞、男性名詞に区別されていて、ドイツ語には中性名詞まであります。

家は、ラ・メゾン、ラ・カサです。「ラ」つまり女性名詞、ドイツ語では中性名詞ですが、ラテン語系のフランス語でもイタリア語でもスペイン語でも、家は女性です。

理由は、家のつくりによるものだと思われます。家のつくられ方は、その論にいろいろあるにしても、それが建つ地方の気象・風土に支配されていることは事実です。

夏、暑さが厳しく、冬も寒い大陸型気候の中近東、ヨーロッパ等では、土、石やレンガ等の厚い壁で囲まれた「子宮のような」、暑さ寒さを壁で閉ざす家が必要になります。

周りを子宮のように壁で囲まれた壺のような家だから「女」だというわけです。

イソップの童話で、わらの家、木の家、レンガの家で最後にレンガの家が残るという『三匹の子豚』の話がありますが、

「家はやはりレンガだよ、レンガが一番いいね、暑さ寒さだけでなく外敵の入れない家ができるね」と子供たちに教えているわけです。

子供の頃『どうしてレンガの家なんだろう? どうして木の家じゃ駄目なんだろう?』と子供ながらに不思議でなりませんでしたが・・・

 

私たちの暮らす、東南アジア系のモンスーン気候帯では、多雨が特徴ですから、その雨露をしのぐということが最初に出てきます。

東南アジアというのは非常に降水量が多いところで、東京ではパリやロンドンなどの先進国の首都の約三倍の雨が降ります。

ですから東南アジアのほうでは雨を防ぐ厚い屋根がまず家の原点となります。さらに照りつける日射を遮るためにも必要となっていったのです。

『屋根』って大切なんですね・・・隣のちょっと古くなっている瓦屋根がまた心配になってきました。

 

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