山形建築研究所、山形です。

2月の記事<30年>でご紹介した住まいの工事がそろそろ完了です。リフォームとリノベイションの違いは?・・・なんてことも書きました。
まあ、言葉の使い分けはあいまいですが、つまりは『直して住む』ということです。

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玄関ポーチを照らしていた間接照明、照明ボックス。その形をそのままに残しちょっとだけ広くなった玄関。GR DIGITAL Ⅳ ノートリミング。

間接照明の照度だけではどうしても明るさ不足ということで・・・設計当時は薄暗いあかりをと提案したものですが・・・
高齢になると(←あまり使いたくない言葉ですが)それまで提案してきた明るさでは、どうしても生活に支障をきたすようになってきます。

ここでちょっと、加齢による明るさの必要性について・・・加齢による視覚特性の変化あわせて、年齢に対応した明るさが必要になってきます。
視覚特性の低下は、20代後半から始まり、40代後半からは高齢者の範疇に入るといわれています。
対策として目の老化や老眼の進む年代では、明るさを加えて対処していく必要があります。
一般的には60歳代の年代での明るさは、20歳代を1.0とすると、約3倍の照度で網膜に達する光量が同じになるそうです。

永く住まうためには、経年変化やライフスタイルの変化にともない10年~30年の間隔で「直す」ことが必要となってきます。
そのときに「まっさら」にやり直すのか、それとも悪くなったところを「直す」のかということが出てきます。
器やお皿など欠けてしまったり、割れてしまった時の修復をするとき、割れた箇所を漆で接着しその割れに沿って金を装飾していく<金継ぎ>と云われる方法があります。
修復したあとが独特の風情をもたらしたりするような感覚が「直して住む」ということかもしれません。

 

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