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2026.02.26 宇賀神亮

ここのところ、家を建てる人がめっきり少なくなったように思う。
まわりの設計事務所や工務店と話しをしても、やはり右肩下がりの状況とのこと。
実際、国交省の住宅着工戸数の統計を見ると、一昨年(2024年)は78.6万戸で、リーマンショック直後の78.8万戸(2009年)、コロナショック直後の80.8万戸(2020年)を下回り、3年連続のマイナスとなっている。
要因は様々あると思うが、肌で感じるのはやはり建設費の高騰。感覚的にはコロナ前の1.5倍くらいに感じている。
もはや家を持つことは当たり前のことではない時代だ。
そこで、今後の戸建て住宅の一つの方向性として、小規模化が有効ではないかと考えている。
30坪標準を見直し、自分に合うサイズ感で現実的な価格の家を建てる、という提案をしたい。
今や単独世帯が全体の38%(2020年国勢調査、以下同)で一番多く、夫婦のみ世帯が20%と、子なし世帯が過半数を超えている。
標準世帯(夫婦+子2人)を基準にして生まれた、30坪3LDKの家は、もはや標準ではなくなりつつある。
経験則だが、1人で15坪、2~3人でも20坪あれば充分に快適で豊かな暮らしが営めると感じている。
敷地に対して小さく建物を建てるということは、外部環境や庭との関係性も拡がるということ。
建物を小さくすることで庭が生まれ、光や風の通り道をつくることができる。
温暖化に対しても、住宅という閉じた箱の中で省エネ化を目指すだけでは不十分で、街全体で緑を増やし風の流れをつくることが必要だ。
日本人が培ってきた、そして忘れかけている、自然との上手な付き合い方が余白を活かすことによって目指せるのではないだろうか。
そしてなにより、光や風を感じながら庭の木々に包まれたやわらかな環境に住むことで、気持ちよく穏やかに過ごすことができる。
小住宅は、建設費を抑えるだけではなく、人間らしく生きることへの回帰である。
必要なものを必要なだけ、欲張らずに、豊かに過ごす。
そんな住まい方が、今求められているように思う。

その場所、その人「らしさ」が自然と滲み出る住まいのことを「いい家」と呼ぶのだと思います。