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包む建築

2025.03.31 村上 有紀

ちょっと前の訪問ですが、大阪吹田・千里山にあるキリスト教会です。戦後まもなく礼拝の場として歩みがはじまり、建物は1962年、ヴォーリズ建築事務所による設計とのこと。

(W.M.ヴォーリズは明治期に来日したプロテスタント伝道師であり、建築家です。
近江八幡を中心に日本全国にその仕事が残っています。)

この教会のすぐ近くに住む方に、ご案内いただきました。

祈るささげる信徒の皆さんとその気持ちや願いを優しく包む構造と、そのたたずまいは、
おおらかに包む建築そのもの。明るく差し込む光も穏やかで、ゆったりとした時間が流れていました。

このような場に身を置くと、空間がひとの心にあたえる影響を実感しますし、
そうなると、心身ともに健やかな毎日にふさわしい空間というものはどんなものか?
そんなことを思います。

暑さ・寒さの快適性、安定・安心というような安心感ももちろん必要だけれども、
情緒に響くなにか、というものがあることも実感できます。

言葉にできない「なにか」。
住む人にとっての「なにか」を空間として表現できたら、
かたちや素材、質感として具現化できたら。

そんなことを思う毎日です。

これまでの暮らしとこれからの暮らしを包む住まい

村上有紀/ひらく設計舎