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家の居心地を左右する南側の開口部について思うこと。

2026.02.15 溝口 泰史

佐野のみぞぐち建築設計事務所の溝口です。

家の居心地を左右する南側の開口部。

一般的には「大きく取るほど陽の光がサンサンと降り注ぎ、明るく健康的である」とされています。

しかし、それがそのまま「居心地の良さ」に直結するわけではありません。

まず、物理的な開放感は、往々にして「視線の露出」と表裏一体です。

外からの視線が気になり、結局は一日中カーテンを閉め切ってしまうようでは、せっかくの大開口も壁としての機能すら果たせません。

また、設計事務所が設計した住宅に見られる意匠性を優先した「全面開口」も散見されますが、あまりに開放的すぎると、かえって空間の落ち着きを損なうことがあります。

家とは、何よりも「落ち着くことができ安らげる場所」であるべきです。

光が溢れる開放感も大切ですが、それとは対照的な「静かな暗がり」や「守られているような籠り感」があってこそ、生活に心地良いリズムが生まれると思います。

明るさと暗さ、開放と閉鎖。

その「適当」なバランスの中にこそ、飽きのこない、真に落ち着ける生活の営みがあるのだと考えています。

溝口泰史/みぞぐち建築設計事務所

栃木県の設計事務所集団/ハピケン