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「わかりあえない」を超える

2022.03.14 村上 有紀

すっかり春めいてきましたね。

本来ウキウキする春に、世界では心痛む出来事が続いています。幼い子が凍える姿、街を追われる姿には言葉もありません。

そんななか、読み返している本がこちらです。

NVC(非暴力コミュニケーション)という手法について書かれています。

こちら、非暴力コミュニケーション、と聞くと、私の生活には関係ない世界の話かな?それこそ、世界紛争のような…なんて思われる方もいるかもしれません。

「暴力」という言葉の印象もあるかと思います。

しかし、こちらを読むと、家族同士のコミュニケーションや、たとえば私たちのような家づくりの場でのコミュニケーションにも、基本的なわたしの「あり方」として心がけておきたい内容です。

いま起きていることを俯瞰して事実として「観察」し

それに対して自分がどんな「感情」を持っているのかを言葉で表現し、

その感情にはどんな「ニーズ」が隠れているのかを探り、

そのニーズを満たすために肯定的で具体的な言葉で表現する、というプロセス。

このようなプロセスをお互いがやりとりしていく共感的な対話の在り方です。

ただ、自分事として家族とのやり取りを想像すると、意外にむずかしいなぁと思います。

特に日本人は「察する」とか「遠回し」という間接的なコミュニケーションの文化もあるので、より不慣れかもしれません。

なので、この手法は改めて「トレーニングする」必要があるのだと思います。

かの国のあの人が、“「わかりあえない」を超える”努力をしてくれたら…

そんな思いに駆られるのでした。

そうそう。この本をハピケンブログでご紹介したのには理由がありまして。

家づくりの場面でも大いに活用できる手法です。

たとえば、夫婦での意見のとりまとめに。

たとえば、家づくりパートナーである設計者とのやり取りに。(私たちにとってはお客様とのやりとりに)

たとえば、現場での職人さんとの打合せに。

特に建て主さんにとっては、家事動線を家族で考えたりするときに、

ついつい相手への「決めつけ」や「自分の判断」が入ってしまい、ちょっとしたケンカになってしまうことも。

そんな時は、状況を観察し、その状況に自分がどんな気持ちをもっているか、

そして、相手にどんなニーズがあって、それを肯定的かつ具体的に表現できたら、

きっとその対話がプランをブラッシュアップしてくれるはずです。

ちなみに、日本語版を手掛けた訳者の今井麻希子さんは、高校の同級生で宇都宮っ子です。

新聞・ラジオでも紹介されていましたから、ご覧になった方もいるかもしれません。

ご興味ある方はぜひ手に取ってみてくださいね。

村上建築設計室

村上有紀