『8』の日担当の山形建築研究所、山形です。『8』の日なのに『5』の人が書いたりしていますが・・・まあまあ、それはそれと云うことで楽しく読んでください。

先週、竣工して2年が過ぎた那須塩原市の《高林のすまい》にお邪魔してきました。杉のフローリングの上で暮らすご家族の様子を拝見させて頂いて・・・

 

 

どうして木がいいの?

木材という材料は洋の東西古今を問わず古くから慣れ親しんできた材料です。

「気持ちがいい」「ぬくもりがある」「親しみやすい」「なんたって木」・・・なんて木という材料の話になると、みんな感性の部分でしか話さなくなってしまいますね。感覚的ないい方が良くないと云っているわけじゃないんですけどね。

私自身も確かに木が好きですが、それでもやっぱり木を説明するときには好きになった女の子を親に話す時みたいに「とにかくいいんだから・・・」とか「会ってみればすぐに分かってもらえるから・・・」的ないい方をしてしまいがち。

そんなことじゃいけない・・・といことで、ちょっとだけうんちくをご披露して。

水と太陽という生物が棲息するための条件とを満たすところに木が生えているということから人が生きることができる環境のシンボルとして感じること、何十億年前に地球に発生した植物、その木に対して生物の記憶として私たちは無条件に惹かれてしまう・・・それが植物愛・・・というような解釈に私もそうだそうだと納得してしまうのですが、失礼ながら丹波哲郎氏的世界、また別の世界にのめり込んでしまいそうなのでいけないいけない。

木が暖かいというのは、木の細胞が無数の空気の粒を抱え込んだ、さながら断熱材のような材料だからということで説明ができます。素足が触れる床の場合、熱伝導率が木の十倍高いコンクリートでは、見る見る足裏の温度が下がっていくのに対して、木の床では最初ちょっと下ってから後は逆に暖かくなる。冬の冷たい布団に入ったときの理屈だと思っていただけると解りやすい。ついでに言うと木の床は人が歩くための固さの嗜好尺度のちょうどいいところにあるらしい。固すぎても柔らか過ぎてもくたびれてしまうので歩きにくいという。もうひとつついでに云うと、木には吸湿性があるから高温多湿な日本では足の裏にかいている汗を吸ってくれるという働きもあります。湿度を調節してくれるということは不快指数を和らげてくれるということであって、体感温度を調節してくれると行くことでもあります。木の家が夏冬気持ちいいということは、まさにこのことを云うのですね。

木の家にいると落ち着くということも云われます・・・落ち着くって何だ、静かで刺激的でない環境。静けさに一番関係の深い音に関して云うと、木は柔らかいからコンクリートやガラスのように音をはね返さない。耳が痛くなるような高音や不快な低音は吸収してくれて、気持ちいい音だけが反射する。適性残響というのはこのことで昔から音楽ホールや劇場の室内の仕上は木材と決まっていたもの。

まだまだあるんですが今日のところはこのあたりで・・・続きをお楽しみに!といったところです。

 

栃木、埼玉の建築家集団、ハピケンhttp://hapi-ken.com/