お付き合いが、かれこれ十年になる<鶴田の家>Sさんのすまいへと・・・『子供の成長にあわせ相談したいことがあるので・・・』ということで

ワンルームだった家族のためのプライベートな部分を、お子さんの成長に合わせて<ちょっとだけ区切りたい>と・・・
実は、この<ちょっとだけ>というのが、とても重要なことで、もしも<住まいの教科書>なるものがあるならば、
『住まいは<ワンルーム>が理想的・・・』と、最初のページに書かれてあるようなことだと思うわけで。
きっちりと区切る時期が来たら、子供たちと話し合って決めていきます。その時は、またご相談を・・・

前回は小学校へ入学、そして今回はそろそろ中学校へ・・・ということです。

しばらくぶりにお邪魔してみると、竣工当時には想像もしていなかったくらい『いい色』に変わっていたラワン合板の天井、針葉樹合板の壁。

『ああ、当時はこんなふうに納めていたんだ』と、懐かしい感も。(^^)

前回、『ちょっとだけ仕切って・・・』と主寝室と子供室の間に設けられた書棚から、さらにもう少し仕切って、というように、少しづつ変えていくようです。
『あんまりきっちりと仕切りたくないんですよね・・・』と親と子供との関係はそれぞれの家族によって様々・・・
それは親子の関係だけでなく家族の暮らし方も時間の経過とともに少しづつ変わってゆくようです。
部屋に名前をつけて名前の通りに使おうとしてしまうと、家の形に家族の暮らしを合わせなければならなくなってしまうと・・・改めて感じました。

すまい考えるときは間取りを考えることになります。
間取りの「間」とは居間、茶の間、寝間などというときの「間」のこと。間取りを描くということは部屋の取り方をあれこれ考えて配置することなのです。

5年後の暮らしは
それでは、本当に欲しい間取りを手に入れるためにはどうしたら良いのでしょうか?
それは、「私たち家族はこんな暮らしをしてみたいな」というイメージをしっかりと固めることです。
「こんな暮らしをしたい」とイメージを固めるためには、近い将来、私たち家族の暮らしはどうなっているかな、などとある程度の予測を立ててみることが必要になります。
近い将来ってどれくらい先のこと?先のことなんてわからないよ・・・ケ・セラ・セラ・・・なんて言わずに
とりあえず5年後、さらに5年後・・・といった具合に。たとえば子供の成長を例に考えてみると変化の具合がわかりやすくなります
5年たつと、生まれたばかりの子供がもう幼稚園児、まだまだ小学生と思っていたらもう中学生。
それからは高校生、大学生と短い時間の周期でめまぐるしく状況が変化していきます。
この変化にともなって暮らしも、なんらかの影響を受けて変わらざるを得なくなるということは簡単に想像出来ますよね。
ちょっと乱暴かも知れませんが、どうせ先のことなんかわからないんだからと、無理に部屋に名前を付けずに家のなか全体がどんな使われ方にでも対応できるような・・・なんて方法もあるようです。

栃木・埼玉の建築家集団

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