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2020.09.27 村上 有紀
村上建築設計室です。
いま、キリスト教会の集会所の提案をまとめているところですが、
「祈り」という行為について、あらためて勉強しています。
宗教に限らず、日々の暮らしの中で、家族の健康を祈ったり、
災害に心を痛めて思わず手を合わせたり。
(今ならコロナの終息を願ったり)
誰もが生まれながらに持っている人の根源的な心のあり方なのだと思います。
手を合わせ、頭を垂れる行為、
そこに集う人と祈りの時間を包む場は、
光によって包まれたり、陰影に包まれたり、
多様な空間性があります。
心の静寂をはかるための空間が、
例えばゴシック建築のように、心が揺さぶられる、
劇的なその舞台性をもっていることもあります。一方で、穏やかな光につつまれた
何とも言えない安寧の居心地を持つものもあります。
神社のたたずまいには襟を正したくなり、
影の中に厳かに光る仏様の空間には、謙虚な気持ちになる。
祈りの場には、美しさがあります。
写真は、以前訪れた入間市にある「カトリック入間宮寺教会」です。
畳敷きのこじんまりとした教会ですが、1911年の建立。
神父さん指導の下、地元の大工さんが苦労し、工夫して仕上げたそうです。
祭壇へと向かう畳の敷き方の工夫も興味深い。
さて。
いま取り組んでいる教会は、プロポーザルコンペ形式です。
信者の皆さんの活動や思いを知るにつれ、
ますます、設計者として祈りの空間の実現に参加したいと思います。
どうぞご縁がありますように。
村上建築設計室 murakami-design.com
ハピケン hapi-ken
開く、展く、啓く、拓く、ひらく。豊かで楽しく居心地のよい「うちとそとの間」をテーマにしています。