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2018.05.21 村上 有紀
こんにちは、村上建築設計室です。
先日、埼玉にある「盈進学園東野高校」http://eishin.ac/about/history/
を見学する機会に恵まれました。
(こんなキャンパスでの高校生活・・・うらやましいなぁ!)
こちらの高校、アメリカ人建築家アレグザンダーによる設計ですが、
「パタン・ランゲージ」という理論をもとにされています。
パタン・ランゲージとは、人が「心地よい」と感じる環境を分析して、
253のパターンにまとめたもので、街から住まいまでの
楽しそうな空間が挙げられています。
ちょっと古くて、文字が多くて、モノクロで、一見地味な本なのですが、
読んでいると、「楽しい暮らし」のイメージがわいくる好きな本です。
そして、とても参考にしています。
特に、室内と屋内の関係性、住まいと庭、街との関係性などは、
本当にワクワクしてくるものです。
たとえば、職員室棟と、教室群(分棟形式なのです!)のあいだは、
このような街路と、列柱が並ぶアーケードによってむすばれています。
その時々に、ふくらみがあったり、ベンチがあって「人だまり」ができる工夫。
そもそも、配置計画では建物をゆるやかにふって、
通りからは、建物が微妙な角度で変化するようになっていて、
落ち着いた路地空間となっているのでした。
いずれもこれらは、253のパターンのなかにもでてくる要素です。
↑は、「みえがくれの庭」というパターンがよくわかる場所。
通路から入る中庭は、2つの教室(1階と2階にそれぞれ1教室)につながっています。
「段階的な屋外空間」で、生徒はそれぞれ自分の教室の前庭として、
少しプライバシーが守られた中庭として使っているようです。
写真は、生徒のいない時間だけ撮らせていただきましたが、
休み時間の生き生きとした様子も見ることができました!
こんな素晴らしい学校ができた所以は、やはり学校の先生たちの理念あってこそ。
生徒にとって必要な空間とは、個性をいかす教育にふさわしい学び舎とは、
という議論を重ねに重ねて、つくられたとのことです。
この門からつづくアプローチの角度も、塀の高さも、
実証検証をおこなって、決めていったのだとか。
「施工業者さん泣かせだった」とは、先生の言葉(笑)。
でも、そのくらい熱心な教育哲学があることが、建物の説明からもよくわかりました。
ちなみに、上記の塀は「見えない駐車場」というパタンを実現させています。
美しく続くアプローチは、生徒が「学び」のモードにスイッチオンするための、
大切な仕掛け。
別の世界へ入っていくようなアプローチ…
見学に訪れた私たちも、そのスイッチはよくわかるのでした。
ちなみに、写真はアプローチの振り返り。生徒が帰るときに見る景色です。
門から校舎へ向かう写真は、人が映りこんでいるので、控えます^^。
これらのパターン。
これ以外も、住宅にも落しこめるものがたくさん。
おおいに取り入れさせていただいています^^!
村上建築設計室 /http://www.murakami-design.com/
ハピケン http://hapi-ken.com/
開く、展く、啓く、拓く、ひらく。豊かで楽しく居心地のよい「うちとそとの間」をテーマにしています。