今日から6月!「1」の日の村上建築設計室です。

前回の、片づけられる!家づくり② からの続く③は、

私たちの設計プロセスでお施主さんと共有するワークをご紹介します。

家事塾の「片づけ問診シート」というワークシートを利用するのですが、

 

1.捨てる    2.買う    3.定量

4.定位置   5.元に戻す   6.使う・まわす

 

という、6つの指標についての質問肢に答えていただいて、その結果をグラフ化して、

自分の片づけ傾向(片づけのクセ)について見るものです。

 

例えば、質問はこんな感じ。

「何が入っているかわからない引き出しやカゴがある」

「医者からもらってきた薬の置き場所がそのたびに変わる」

「レストランでメニューを決めるのに迷うほうだ」  ・・・・など

 

思わず「は?」と思ってしまうような(笑)、初めてされるような質問に〇・×で答えます。

すると、このような傾向グラフが作れます。

無題

ちなみにこれは、昨年末お引き渡しをしたAさんのものです。

青線がこれまでの平均値、赤線がAさんの結果。

定量を決めたり、定量を守ることが苦手だけども、という傾向があります。

 

そして、こちらがAさんの奥様のもの。

奥さん

「捨てる」こと、「買う」「使う」が苦手だけれども、

定位置を決めたり元に戻すことは得意という傾向があります。

 

※注:この質問は自己申告なので、自分に厳しい人は厳しく、

自分に甘い人は甘い結果が出ます(笑)

 

奥さんは、自分に厳しめだったように思いますが、

確かに、使わない物でも捨てるのをもったいなく感じてしまい、手元にとっておくため、

以前のお住まいでも収納が不足してしまっているようでした。

 

その代わり、たくさんのものがあっても、どこに何があるのかは

きっちり決めてあり、頭に入っていらっしゃいました。(それがすごい!)

たとえどんな忘れ物をしても電話で伝えて、家族に持ってきてもらうことができる!

という自信があるほど。(学校の先生という職業のクセもあるとか^^)

 

このAさんの場合、やっぱり設計で悩んだことは(ご本人も私たちも)、収納量についてです。

「これで足りるかしら?」という不安があって、なかなか踏ん切りがつかない。

小屋裏収納を作っておいた方がよいかしら、クローゼットを広げておいた方がよいかしら、

など、いろいろとお悩みでした。

 

大は小を兼ねる、という言葉がありますが、

「捨てることが苦手」な人にとっては、あてはまりません。

お蔵入りを増やすだけです(笑)

 

だからこそ、私たちは要望のままに収納を増やすのではなく、

住む人が本当に必要な量を見極める、そのプロセスを共有しました。

 

住まいというのは、暮らしを包む器です。

何をどのくらいいれるのか、それは住む人にしかわからないこと。

でも、設計プロセスとしては、ご紹介したワークや、現在の暮らしをみせていただくことで、

住む人も、私達設計者もそのご家族にあう物の量を一緒に見極めることができます。

そして、そのプロセスが暮らしづくり。

ぜひ、ちょっと面倒でもじっくりと取り組んでみてください。

新しい住まいでの暮らしがとっても気持ちの良いものになりますよ^^。

 

家づくりの前にこんなワークをしてみたい。

そんな方もお気軽にお問い合わせくださいね!

 

村上建築設計室 http://www.murakami-design.com/

栃木・埼玉の建築家集団ハピケン http://hapi-ken.com/