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「9」の日になってしまいましたが、「8」の日担当の山形建築研究所、山形です。

 『ゆっくり』と云ったイメージではありますが順調に工事が進んでいる《クマさんのすまい》・・・大工工事もそろそろ佳境といったところです。
先週の定例打合せの現場からのリポートです。

玄関床に敷設された甲丸(コウマル)レール。GRデジタルⅢ ノートリミング。
甲丸レールは最近の住宅では、なかなか見ることがなくなってしまった部品です。ちょっと前の住宅では木製建具のレールといえば、まず甲丸レール。
かまぼこ型の断面形状、その上を走る戸車は専用戸車を使っていました。
かまぼこ状の脳天から釘打ちで止めていたため、釘の上を通過すときは音が出てしまったり、釘止めしていない部分は曲がりやすかったりしていました。
定番だった甲丸レールは、溝をついて埋め込む事で、ずれたり音が出ないVレールに代わってきました。

でも溝のあるレールは溝の中に砂やほこりが入ってしまうと戸車がうまく動きません。なので、玄関など土足で使用する部屋には使えません。
そこで一度退場した「甲丸レール」の再登場!
ただ、レールだけに建具の重量を負担させないようにハンガーレールで建具を吊っておいて、レールの役割は「ガイド役」
しばらくぶりの登場なので、ちょっと負担を軽くしましょう・・・といったところでしょうか。

写真の中で3本のレールが見えますが2本が引き違いの玄関建具、残りの1本は網戸用。右側に見えるステンレスは床仕上げの見切材。
現場での取付作業は強度はもちろんですが、精度も要求される難しいところでしたが、無事に取付完了しました。
きちんと並べるためにレールの下でちょっとした工夫が隠されているんですが・・・それは内緒です。

 栃木・埼玉の建築家集団
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