今週に入ってから<豊郷台のすまい>では階段の造作工事が進んでいます。
今日はそんな進捗の様子をババッと、ご紹介! 写真は全てGRⅢ ノートリミング。

今回の階段は、うちの事務所の標準?となっている<五段回りの一坪階段>です。
階段を設計する時に重要な事は、安全なこと、上り下りしやすいことだと思っています。

モノとモノがぶつかり合う部分のディティールは難しく、施工する側にとっても苦労するところとなります。
下の写真は大工職が描いた原寸図。中心の壁厚は約67mmとして、できるだけ階段幅員にゆとりを持たせるようにしています。

五段回りなので6段の段板が集まってぶつかり合う部分はいつも納まりに悩むところです。
中央の2段の割付が変則になっているので、段板の中心がオフセットしているところが大工職を悩ませています。

段板と芯柱との取り合い部分・・・ここの加工は間違えたら終わり!という大工職にとってはシビレルところなんです。

キツチリと原寸図を描いて加工してもらったおかげで、段板と芯柱との納まりは、バッチリ!です。
出来上がったところを眺めて、ケ込み寸法を30㎜とすると、芯柱の見込寸法は45㎜が限界かなぁ!とか、芯柱と手摺のつくり方はもっとあるんじゃ?・・・なんて
誰かが云ってましたが、ホント、階段は『ディティールの宝庫』ですねェ。(^^


5段回りとすることで、歩くリズムが直線部分と変わらないリズムになるので、スムーズに上り下りが出来る安全な階段になります。

今回は、上り始める1段目だけを浮かせるようにつくってみました。階段の一段目は、ちょっと特別なものにしたくなるようで・・・(^^ゞ
アルヴァ・アアルトのマイレア邸の一段目のように(←ちょっと言い過ぎの感ではありますが)

苦心して出来上がった階段は大工職にとっても特別なものになっていますよね・・・笑顔の大工職、キレちゃってゴメン。(_ _)
設計者にとっても階段は特別なもので、そんな面白い階段を簡単に設計しちゃダメです。
垂直に移動する階段は、ちょっとだけ『ハレ』的な雰囲気をもつところです。
そんな『特別』な感覚をすまい手にも味わってもらわなくては!・・・そんなことを思って設計をしています。

山形建築研究所-ウエブサイト

栃木・埼玉の建築家集団 ハピケン
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