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2018.05.02 村上 有紀
こんにちは、村上建築設計室です。
この連休中に、家の前の植木の剪定やら草むしりをしていたら、
その様子を、わが家のてんちゃん(猫)が窓辺に見に来て、
その様子を見た、通りを行き交うご近所さん何人かと立ち話になりました。
「いつも(てんちゃんを)見てるのよ~」
「うちも猫が3匹もいるのよ~」
「この子、大きいけど何歳なの~?」
と、お互いの猫の生い立ち(近所の保護猫がほとんど)を語り合う(笑)。
(カメラを向けたら目を逸らす・・・)
建築計画の用語で「表出」「あふれだし」という言葉があります。
どちらも、住まいと共用空間(路地や集合住宅の共用廊下など)との間に、
住む人の生活・暮らしが表れるものですが、
「表出」は、住む人が個性や「我が家らしさ」を表現し、豊かな住空間となっているもの。
例えば、鉢植えの花や緑、窓辺の置物など。
対して、「あふれだし」は、内部にあものが収まりきらずに玄関先に出てくるようなもの。
例えば、子どもの道具類や、一時置きのダンボール、バケツ、自転車など。
昔から、この家と通りの間の空間が好きで、小学校時代は寄り道して花を眺めたり、
中学・高校時代は自転車通学しながら、お気に入りの「表出」を見るのが、楽しみ。
特に、密集地で暮らすようになってからは、
「表出」だけでなく「あふれだし」が見える路地空間もとても好きで、
生活感のある、楽しい風景だなと思っています。
これは、近江八幡に行った時に目が止まった風景。
赤い飾りは、ちょうどお祭りの日だったので、そのお飾り。
麻で粗く編まれたのれんも素敵。
こちらは、ご近所で一番好きだったお宅の表出。
過去形なのは、建て替えですっかり景色が変わってしまったため。
新しい生活とともに、緑もなくなってしまいました。
住む人が変わったのかしら・・・。
3枚目は、手前のアパート(よくある一括借り上げ系)の無表情感と、
旗竿地、奥の住まいの佇まいの対比が面白いご近所風景。
手前のアパートのシャッターや玄関ドアのダブルロックより、
奥の家の「生活感」が何よりも防犯に役立っていると思われます・・・
これらの表現は、設計者がつくるものではなく、住む人がつくるものです。
ただ、住み手が「街と住まいのあいだ」の空間を楽しめるかどうかは、
建築的な設えの工夫が大きく影響します。
3枚目写真のアパートのように、通りと住まいが近すぎると、
シャッターを開けた時にはカーテンを閉じざるを得ませんし、
視覚的にも外に開いた暮らしができなければ、
外に向かっての意識が持てるわけがないですから。
街と住まいとの関係。
いまわたしがいちばん興味あるテーマです。
村上建築設計室 murakami-design.com
ハピケン hapi-ken.com
開く、展く、啓く、拓く、ひらく。豊かで楽しく居心地のよい「うちとそとの間」をテーマにしています。