山形建築研究所、山形です。
地球の上には無数の建物が建っていますが、その中で一番数が多い建物・・・は住宅です。ついでに云うと、最も古い建物でもあります。
では、住宅という建物が建築の歴史の中でなぜそんなに古く、数が多いのでしょうか。
もちろん、人間が住むための建物で、人間の数が多いからだと言ってしまえばおしまいですが
なぜ住むための住宅が必要なのかと問われた時、答えは簡単に出せません。
駅は電車に乗るため、事務所は事務を取るための建物と簡単に定義できるけれど、住宅は住むためのの建物だといっても
それじゃ「住む」っていったい何?と問い詰められると、住むということが電車に乗るというような単純な行為でないだけに答えに困ってしまいます。

家とはなんだ、人はなぜ家をつくるのか?などと聞かれると困ってしまいます。
家がなけりゃ帰るところがないと答える人が多いでしょうが、実は世界中には家がなくて
ホテルからダンボールまで家でないところに住んでいる人はたくさんいます。
ご飯が食べられてベッドがあればいいではないかという、例えば豪華客船で世界中を旅している大金持ちとか
都会の道端で暮らしているホームレスと呼ばれている方とか、家を持とうとしない、あるいは持てない人はいろいろいます。
必ずしも家は、なくてはならないわけでもなさそうです。←ややこしい言い回しでスミマセン。
心情的、習慣的に持つべきだと思っているところがあるのかもしれません。
そう考えると、あって当たり前と考えられていることでも、なくていいものは、家だけではなく他にもたくさんあるのかもしれません。
例えば結婚はなぜするのか、人類の種の維持のため、子孫繁栄のためなんて、だれもそんなことをいちいち考えているわけじゃなく
なんとなく三〇歳を過ぎたら結婚しないといけないというように考えて、いつのまにかしてしまったなんて方が結構いるはず。
それと同じで、何となく四〇歳を過ぎたから、家を建てようとする人がかなり多いはず。

人が家を持つのと同様に、動物たちも家というか、巣をつくります。
動物は子育てのために巣をつくるのだという極めて明確な答えがあります。巣をつくるのはヒナが生まれるときです。
ある日突然、雌雄のつがいが泥や木の枝を集め巣づくりを始めます。あらゆる鳥は子供が出来た瞬間に巣をつくるそうです。
どうしてそれがわかるのか、それは神様の刷り込みなのでしょう。
そして、必ず子供が入れるだけの充分な大きさの巣をつくる。小さすぎる巣、大きすぎる巣はつくらない。
五羽の子供が生まれる鳥は五羽分の巣をつくるといいます。

人間も動物なのだから、同じように子供を育てる場として住まいをつくるはず・・・
駅は電車に乗りやすく、空港は飛行機にスムーズに乗れるようにとつくられるように
住まいは、まず家族が家族として一緒に生活しやすいように作られるはず。
さらに考えると、建物というのはいわば容器、入れ物。そこに何かを入れるために容器はつくられるはず。
ビールは炭酸が抜けないように、フィルムは感光しないようにというように出来ています。
家を生活を包む容器というように考えると、まずその中にどういう生活がが入るのかを良く考えてみる。
容器によって生活が決まるわけじゃないのだから、今の生活を良く考え、それに合うような住まいをどう作ればよいのかを考えればならないはずです。


雑誌に出てくような家をつくって、子供は子供室に、夫は書斎に、それぞれ引きこもってしまって、家族のふれあいや会話がなくなってしまった。
なんてことにならないように。なんのために家をつくるのかということをもう一度考えてみませんか。
ここでもう一度、我が家族にとってお互いのふれあいを確認しあう家とはどんな家なのだろう、というところから始めてみましょう。

長い前置きはこのへんまでとして、宇都宮市南図書館のギャラリースペースで開催される『ハピケン展』のご案内。
A5チラシ表

会場ではすまいづくりに関する無料相談もやっています。
あなたの思いをハピケンの建築家にぶつけてみては?
最初は漠然としていた思いが、建築家との楽しいキャッチボールによって、カタチになっていくのは、とてもワクワクすること。
HAPPYがたくさん生まれるハピイエは、そんな楽しいキャッチボールから生まれます。
ハピケンの建築家たちは気さくな人たちばかりですから、会場でぜひ気軽に声をかけてみてくださいね。

H29秋裏面2

そして最終日の11月19日には、ギャラリースペースとなりの会議室で “ハピケン塾”を開催します。
絶対失敗したくない家づくり、だから家づくりのプロから学べる“塾”を開きます。
家づくりのことを一番知っている建築家から学んで得られるものがたくさんあります。
しかも8人の建築家がそれぞれユニークなカリキュラムを用意してお待ちしております。
気になるテーマを選んで受講してもOK、もちろんすべてを受講してもOKです。
カリキュラムスケジュールは10:00から12:00の午前の部、13:30から15:30の午後の部です。


『人はなぜ家をつくるのか?』謎解きのヒントになるようなテーマをあれこれ用意してお待ちしております。

 

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栃木・埼玉の建築家集団 ハピケン
http://hapi-ken.com