こんばんは。
山形建築研究所、山形です。
ここのところ、10月なのに「今日は12月上旬並の気温」なんていう新聞記事を目にするようになった宇都宮界隈です。突然の寒さは、からだに堪えますねェ。
『12月の・・・』なんて言葉が出てくると、早くも気忙しくなってもきます。

10月11日の大安吉日に解体工事から始まった<境町のすまい>では、既存間仕切りや造作家具を解体が完了して、大工工事が進行中です。
天井下地を組み、新しい間仕切りが造られてきています。今日は現場の確認と打合せのために現場へ行ってきました。

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既存壁を解体してみると、外壁回りにグラスウール(10kg/㎥)100㎜の断熱材、まあ、当時はしっかり施工してあるという仕様だったようです。
床部分はもとの設計図に記載のあった50㎜の断熱材を確認した上で既存のフローリングを下地とし、今回の床仕上げをすることにしました。

話が少しそれますが、建築の現場には、一般的にはあまりなじみの無い言葉かも知れませんが、『野帳場』と『町場』という・・・もともと職方の言葉があります。
『野帳場』とは工事を総合的に請け負う元請工事業者(ゼネコン)が、様々な専門の下請業者を調達して工事を行う現場。元請けと下請けはタテの関係。
高層ビルや公共施設など大規模な現場。

一方、『町場』は大工職などの職人や職人を雇用する比較的小規模な業者がヨコの繋がりの分業で工事を行う現場。
また、ひと昔前には『旦那場』というものがありました。大工職等の職方と、大きな商家などの旦那さんが一緒になって造りあげていたようです。
建築に精通して増改築が趣味?と云うような人が建築主である発注者のことを敬って「旦那」と・・・上得意の建築主の現場を旦那場と云ったりしていたようです。
お金持ちの家道楽・・・と云ってしまえばオシマイですが、その時代の文化や芸術に貢献したとも言えそうです。

 

 

さらに、常用と手間受けという、まあ、言ってみれば給与形態みたいなものがあります。
常用とは、一日いくら。日給制の給料みたいなもの。仕事の出来、不出来(進み具合)に関係なく、勤務時間・日数に応じてお金を支払うやり方です。
つまり、一日働いてなんぼということです。旦那場と云えばこのカタチで、多少能率が落ちても報酬は変わらないということになります。
手間受けは、家一軒を造るにあたって一軒いくら、坪いくらって形で仕事をする事。その工事を材料もちで完成まで責任を持って施工するやり方。
作業日数が増えれば一日の手間が減り、早く終われば手間が増える。急げば急ぐほど「稼げる」という意味では良いんですが・・・でも、すまい手にとっては・・・?と云うことになります。

 

 

話をもとに戻して・・・
今回の住みながらのリフォーム工事はひと昔前の『旦那場』といった感。(^^)
「どうしましょうか?」「どうしたらいい?」なんていった感じで現場の打合せが進んでいきます。
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そして、この現場は10時・3時の休憩のときに、美味しいコーヒーが味わえるうれしい現場です。(^^)

 

 

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