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2016.05.11 村上 有紀
こんにちは、1の日の村上建築設計室です。
さて。前回からの続きになりますが、
片づけに困っている人にとって、
「家づくりは、暮らしを整える絶好のチャンス!」というお話です。
前回は「暮らしの環」という考え方をご紹介しましたが、
片づけとは、本来「元の場所に戻す」作業です。
動作そのものが難しいわけではありません。
それなのに、片づけられないのはなぜでしょう。
片づけには、もう一つ(広義)の意味があります。
「暮らしの秩序と循環をつくり、それを維持する」こと
ちょっと難しい言いまわしですが、
「暮らしのシステムやルールを作って、暮らしをまわしていくこと」
と言い換えられます。
つまり、「暮らしの環」でいう、「しまう場」や「まわせる物の量」のルールを決めて、
使う→しまう→使う→しまう の流れをとめないこと、です。
使う→しまう→使う→しまう の動作は、本来とても単純な作業ですから、
暮らしのシステム・ルールを決められずに困っている結果が、
長年ブームが続いている、様々な片づけメソッドです。
++++++
では、私からも考え方をご紹介(家事塾版ですね)。
簡単に元に戻すための三原則、「定位置」「定量」「捨てる」です。
(それぞれ下図のオレンジ色部分と対応します)
物の定位置(しまう場)を決めて、物の定量(まわせる量)を守れば、
暮らしの環の車輪は重くなることはありません。
ただ、生活するにはモノを買わねばならない。あるいは働く楽しみでもあります。
そこで、買って入ってくる物が増える一方だと、
暮らしの環の矢印は、どんどん太くなり、
自分ではまわしきれない量になってしまいます。
だから、太りすぎないようにするには、意識して捨てることが必要です。
するとおのずと定量(矢印の太さ)がわかってきて、
しまう場である定位置も決めやすくなるのですが・・・
自分一人ではやはりエネルギーもかかるんですよね。
+++++++++
その点、家づくりの収納計画では、クライアントと設計者が「一緒に」
住まい方に合う定位置を決めて、定量が収まる収納空間を計画できるわけです。
普段は、忙しくてなかなか暮らしの見直しをする時間が持てなくても、
家づくりでは向き合わざるを得ません。
また、客観的な視点を持った設計者もあなたの暮らしを整える味方です。
どうぞその助けも利用してくださいね。
そうそう。
お施主さんにしかできないのが、「捨てる」という作業です。
先の「定位置」の収納を設計するには、暮らしの「定量」がわかっていないとできません。
そして、暮らしの「定量」は、要る物・要らない物を判断して、
「捨てる=使いたいものを選び取る」作業をしないと定量は出てきません。
どんなものが好きで、どのくらいのものが必要なのか、
このところだけは、設計者には判断できないことなのです。
あぁ、今回も長くなりましたが^^;
捨てることでこれからの暮らしに必要なものを見極める作業は、
家づくりのタイミングに関わらず、今からでもスタートできることです。
緑鮮やかな新芽の季節、さわやかな空気とともに、
片づけに取り組んでみるのもいいですね!
さてさて、今週末(14~15日)はハピケンも参加するイベント、
「ちょいカフェな暮らし展」 です。
http://hapi-ken.com/lalacafe.html
県内の人気ショップがそろう、楽しい企画です。
ハピケンメンバーの模型展と、建築やリフォームのおしゃべりカフェもございますので、
そろそろ暮らしを整えたいな♪と思う方は、遊びに来てくださいね!
村上建築設計室 http://www.murakami-design.com/
開く、展く、啓く、拓く、ひらく。豊かで楽しく居心地のよい「うちとそとの間」をテーマにしています。