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2026.04.07 佐藤 大介
栃木県宇都宮市の設計事務所集団 ハピケン
R8.4.7
house-CT2 宇都宮市
日常の中に、
自分だけの特別な風景を持つということ。
この住まいは、
ある風景への純粋な想いから
静かに導かれるように計画された。
滑走路に面した立地を最大限に活かし、
リビングの一面をガラスで構成することで、
その景色を暮らしの中へと取り込んでいる。
・
視界の先に広がるのは、
空へと続くダイナミックな余白と、
行き交うヘリコプターの存在。
好きなものを、ただ身近に置く。
そのシンプルな選択が、
空間に揺るぎない価値を与えている。
・
他者の評価ではなく…
自分自身の感覚を基準にすること。
それは控えめでありながら、
確かな豊かさの在り方だといえる。

一方で、
窓は単に景色を切り取るためだけのものではない。
空間ごとに求められる役割を丁寧に与えることで、
住まいの質は大きく変わる。
・
寝室に設けた窓は、
朝の光を穏やかに取り込むよう設計されている。
過度な演出を避けながらも、
自然のリズムに寄り添い、
静かに一日を始めるための光が差し込む。

視覚的な美しさとともに、
身体感覚にまで働きかける設計が、
上質な時間を生み出している。
そして、
心地よさを支えるもう一つの要素が「空気」である。
・
本邸では、
ダクト式第三種換気を採用している。
屋内の空気を穏やかに排出し、
外気を無理なく取り込むという、
極めてシンプルな仕組み。
・
過度な装置に頼ることなく、
安定した空気環境を維持することで、
空間全体に静かな快適さをもたらしている。

換気の役割は、決して多くを求めない。
ただ、空気を新鮮に保ち続けること。
その当たり前を丁寧に積み重ねることが、
住まいの質を静かに引き上げていく。
住まいとは、
価値観の輪郭を、そのまま空間に映し出したもの。
何に囲まれ、
何を選び、
何を削ぎ落とすのか。
その積み重ねが、日常の質を静かに決めていく。
そして、
快適さは過度に求めるものではなく、
必要なものをだけを、
静かに整えることで満たされる。
そういうものではないだろうか。

意匠と性能の両立した住まい