ひらく設計舎の村上です。先日、我が家ではじめてのコロナ陽性がでました。

その前の週に運動会ではじけた息子です。なんともわかりやすい。
超狭小住宅に住んでいるので、「あーー、きっと家族でうつるな」と覚悟。
(ごはんのおかずも大皿で出しちゃったしね(^^;)

私もこまめに熱を測り、念のため週末までの対面での打合わせをリスケしてもらい、
土曜日に予定していた6月のツキイチも、またの機会にさせていただくことにしました。

さて、今回の「理想の間取りはどうつくる?」でお伝えしたかったことのひとつに、
設計者がどんなふうに考えて、どんなふうに設計をしているか、ということです。
いまは、ネットにも情報がたくさんあり、お客さん自身も、建築にまつわる様々な知識を得ることができます。
そんななかで、家づくりのスタート時は要望が予算を上回っているということがほとんど。
それぞれの要望の優先度を考え、与条件を整理することが必要になるわけです。

私達設計者は、家づくりのヒアリングや設計のプロセスで、その条件整理を手助けします。
その場面では、おこがましいけれど、お施主さんに対しお客さんより少し多い経験や専門的な知識を駆使して、
家づくりの知識を「啓く(ひらく)」役割もあるように思います。

「家をどんなふうに作るか」ということは、建築の知識に加えて、倫理観、道徳観、社会性という
多面的な要素も含まれます。(むしろいい家づくりにはそちらの要素の方が大きいかも)

ですから、私たち設計者は建築だけでない広い視野も必要なのだとつくづく思います。
また、逆に、家づくりのプロセスを通して、逆にお施主さんから知を啓いてもらうこともあります。
素敵だなと思うお施主さんの何気ない言葉や考え方からは、なるほど!と思うこともしばしば。
お互いに新しい世界を啓きあうようなそんな楽しさが生まれます。


そうそう。屋号の「ひらく」には「開く」「拓く」「啓く」「展く」など複数の漢字がありますが、
「啓く」は英語でいうなれば、「edify」という単語にあたるそう。
「知識を高める」とか「啓発する」という意味あいですが、もとの原義は「家をつくる」なのですって。

「家をつくる→精神を構築する→教育する」という流れだそう。

確かに。「どんな家をつくるか」ということは、「自分自身がどうありたいか」を問うプロセスそのもの。
だから、楽しいし、悩むし、考えが尽きないのだな。

そんなことを考えた、我が家のコロナWEEKでした。
(私は喉がややおかしくなったものの、発熱はなくなんとかやり過ごせたようです。)

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ひらく設計舎 村上有紀