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玉砂利洗い出し<続編>

2020.07.09 山形 誠

お馴染みの定点撮影から始まりました、玉砂利洗い出し<続編> 写真はGRⅢ 撮って出しノートリミング。
梅雨前線と低気圧の影響で甚大な豪雨被害は九州地方から近畿・東海地方へと広い範囲で被害が広がっています。
上の写真を撮影した時(7月8日午前)には栃木県内にも大雨洪水警報が発令されていました。
被害を受けられました皆様に心からお見舞い申し上げます。

<今までと違った・・・>始めての試みと云う事なので作業が始まる頃から現場へと…
どれくらいの量を捲くか、どのタイミングで捲くか、等々を左官職とモルタルの締り具合(乾き具合)を相談しながら作業を進めてもらうためです。
今回のセメントと砂利の配合は思っていたよりも締まる(乾く)タイミングが早く、タイミングを間違えると捲いた玉砂利が沈んでいかないということに・・・。(^^ゞ
サンプルをつくった時の玉砂利の捲き具合と捲くタイミングを参考にしながら進めたのですが、なかなか思うようにいかない様子に
「なんのためにサンプルをつくったんだッ」とノド元まで出かかった言葉をグッとのみこんで・・・。(^^ゞ
一度塗ったモルタル下こすりをやり直してもらって・・・。

前編からの続き<重要なのはモルタルの締り具合を見はからって玉砂利を捲くタイミングと洗い出すタイミング>

まさにその通りで、下地の状況や気温、湿度など条件によって様々ですが、約1時間くらい置いて洗い出した状態が↑です。
モルタルがあまり締まらないうちに玉砂利を捲くことで『玉砂利が沈まない・・・』という問題も見事に解消して・・・(^^)v

下の写真が施工後、モルタルの水がひいてセメントの色が出てきました。

写真の撮り方(露出補正)によって画面で観る色の濃さは微妙に違いますが、少し寂びた感じのグレーです。
いろいろと無理を言って作業をしてもらった左官職に感謝です。

いっぷくしている左官職親方と話をしていると、『ミュールコート』の話題に。
『昔はミュールコートをよく使ったもんだけど、最近じゃあんまりみねえなぁ』

↑ミュールコートとは、骨材表し仕上げ材で、旭化成の製品名。
アクリル酸エステルと仕上材の砕石とで練り混ぜて塗り付ける工法。まあ、モルタルを使った洗い出しとは別モノ。
塗り付けた後、樹脂が透明になることから、種々の色調砂を利用した仕上げが可能で、約20年くらい前まではよく見かけましたけど。
建築の工法でもはやりすたりがあるんですねェ・・・と親方との話でした。

手間のかかる工法や、滅多にない仕上げを指定して、技術を継承して行くための一助みたいなことを設計者側からもしないといかんなぁ、と思ったこの度だったのでした。
そんな現場の様子は・・・↓ と無理やり結ぶ。(^^ゞ


豊郷台のすまい 完成見学会
参加者募集中です!
日時:8月1日(土)・2日(日) 10:00~17:00
場所:栃木県宇都宮市豊郷台
詳しくはウエブサイトをご覧ください。皆様のご参加申し込みをお待ちしております。
-山形建築研究所ウエブサイト-