今日は現場で行われていた工事、昔ながらの左官仕上げの一つ、玉砂利洗出シの様子をご紹介。
一般的には玉砂利洗出し仕上は、モルタルに玉砂利を混ぜて塗り、ある程度乾いたところで表層のモルタルを洗い流して玉砂利を露出させる左官仕上げで
うちの事務所では<今までにも>玄関土間やアプローチの仕上げとしてよく使っている工法です。

混ぜる玉砂利の大きさによって仕上がりの表情が大きく変わりますが、私の場合、もっぱら用いるのは1分5厘(4.5mm)から2分(6mm)程度の小粒のもの。
粒が大きいと立ち上がりなど垂直部分では玉砂利が剥落してしまうので施工できませんが、小粒だと可能。
形状にかかわらず仕上げを連続させる事ができますし、何よりも柔らかな表情になるので好んで使っています。

この施工で難しいのは、洗い出すタイミングと玉砂利の頭をどの程度出すかの洗い出し方。
玉砂利の頭を出しすぎると後でポロポロはがれてきますし、洗出しが足りないと風合いが失われる・・・
表層のモルタルの硬化を遅らせる薬品などを使ったりもしますがも使いますが、季節によって大きく変わるそのタイミングを見計らうのは、やはり長年の経験、まさに職人技の世界です。

でも、今回は今までとは少し違った質感にできないものかなぁ?・・・と。(^^ゞ
最初に<モルタルに玉砂利を混ぜて・・・>と書きましたが、そうすると洗い出した後の玉砂利の表情が均一になってしまいます。
いつもより、もう少し寂びた感じに仕上がらないものかと・・・あるところからヒントを頂いて←ネタ元は秘密です。
下塗り玉石は混ぜないでコテ塗りする。モルタルを下こすりし、少し乾いてから玉石を捲いて塗りつける。
そうすれば玉石の露出の具合が思ったようになるんじゃないかと・・・そこで左官職にサンプルをつくってもらって検討!

写真左側が玉石を捲いて塗り付ける方法、右側が今まで通りにモルタルに混ぜ込んで洗い出したもの。 以下写真は全てGRⅢ ノートリミング。

用意した玉砂利で、那智石の少し大きめのモノ、珪砂(2号)、玉砂利(南部・2分)

モルタルを下こすりしたところに玉砂利を捲いた様子。

モルタルに混ぜ込むより玉砂利の量は少なくすること…っていうところがポイントみたいです。

この後、玉砂利をコテで伏せ込んでいきます。
重要なのはモルタルの締り具合を見はからって玉砂利を捲くタイミングと洗い出すタイミングです。

で、今日のところはここまで、後編へと続く・・・。(^^ゞ

 


豊郷台のすまい 完成見学会
参加者募集中です!
日時:8月1日(土)・2日(日) 10:00~17:00
場所:栃木県宇都宮市豊郷台
詳しくはウエブサイトをご覧ください。皆様のご参加申し込みをお待ちしております。
-山形建築研究所ウエブサイト-