創右衛門一級建築士事務所の佐藤大介です。

江戸時代(約150年前)の土蔵保存修理工事の現場では、先週3日掛かりで棟上げをすることが出来ました。
蟻害・腐敗により損傷のひどい梁や柱をオリジナルに忠実に加工した新材に置き換え、既存のオリジナル材と上手く調整しながらの棟上げ、そして何よりデカイ材にいつもとは違う棟上げになりました。
一度、地組したのに3日も掛かりました…

写真1枚目
新たに加工した松材の梁。太い部分は大人の腕が回らないくらいの太さです。


写真2枚目
新材と既存材でオリジナルに忠実に再築造された小屋組み。
外部廻りは損傷がひどく、新材が多くなりましたが、全体7割程度は既存材を補修し再使用した小屋組みです。


写真3枚目
土蔵の柱は全てが通し柱。上から下まで1本で構造を形成しています。柱頭、柱脚のみの腐敗損傷であれば根継ぎと言う補修も可能なのですが、既存材の状態は柱脚、柱間、柱頭と、土台、梁、桁との接合部は、ほぼほぼ雨水や蟻にて腐敗損傷状態にて、再建築後の築年数も考慮し、全て新材へ交換する判断としました。
写真のように土蔵の柱は、土壁をよく付着させる為に用いる小舞竹を乗せるよう、外部側をノコギリ状にギザギザに加工してあります。

本年度は、来週の市役所による完了検査を受けて予定工事完了。
来年度はいよいよ土壁施工に入ります。
2年掛かりですが…


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