山形建築研究所、山形です。順番が回ってくるのは早いもんですねェ。(汗; そこで、今日はちょっと思いつくままに・・・

「ちょいカフェな家」ということで・・・

私たちは「ハレ」と「ケ」つまり「非日常」と「日常」を繰り返し、使い分けながら暮らしてきました。まさに「禍福はあざなえる縄のごとし」です。この感覚は、日本人の暮らしのメリハリや心の影響と深いかかわりをもっています。「もてなし」と「くつろぎ」どちらにも「表と裏」、「非日常」と「日常」の両面があるのかもしれません。

なんてことを言っておいてなんなんですが・・・

 

「もてなし」に「お」をつけた言葉が、『お・も・て・な・し・・・おもてなし』です。私たち日本人は、誰に対しても自然に親切にする意識や、相手を思いやる優しい心を持ち、人に不快感を与えない程度の距離を保ちつつ、相手へのお世話や気遣いを気付かれないよう表面に出さずに接し、良い人間関係を作ることができるといわれています。もてなしの形には、目に見える物と、目には見えない心があります。もてなしは、表裏なし、つまり表裏のない心で相手やお客様を迎えることを意味します。お客様に対して思いやる心で接することです。おもてに見えない裏の心こそが、おもてなしに最も大切なことではないでしょうか。

 

亭主が客に対して心をこめて接すること。茶道の世界でよく使われることばです。床の間に 生ける花や掛け軸に趣向を凝らして心から客を歓待することなどいいます。もちろんそれは、形式にとらわれた窮屈なものではありません。またとない瞬間をどう過ごしてもらうか・・・すべての思いはここにあります。もっとも大切なのは、お互いに「もてなすこと」「もてなされること」を、構えずに心から 楽しむことではないでしょうか。茶道にならうなら、風流を楽しむということでしょう。家の中で楽しむこと、その空間こそが「もてなしの場」と言えるのではないでしょうか。相手を心から慕う気持ちは自然と伝わるものです。互いに堅苦しさを感じることなく、自然に笑みがこぼれるような時を過ごすこと、それが「おもてなし」の極意といえるような気がします。

 

日本のすまいほど「さかいめ」のありかたが変幻自在なすまいはありません。襖や障子などは空間のなかで、「さかいめ」を作るために日本で独特に発達した道具です。その時々に応じて、大きくも小さくも思いのままに空間をつくる、実に合理的な暮らしの知恵です。これは「余白」や「間」そのものに美しさを見いだし、目に見えない何かを感じとることのできる日本人特有の感性があってこその発想といえるでしょう。初めにデザインがあるのではなくて、まず相手をもてなす心があり、そこを起点につくられる空間がおもてなしの空間といえるのではないでしょうか。多様化する家族の生活空間を考える切り口は日本古来の価値観を探ってみるところかもしれません。

 

・・・なんてねっ。(^^)

 

 

栃木・埼玉の建築家集団
ハピケン
hapi-ken.com