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2023.12.28 山形 誠
12月に入って忙しさを言い訳に滞りがちだったハピケンブログ、年末押し詰まったところで12月に着工した<いまいすみのすまい>の現場からの報告を「ババッー」とダイジェストで!
12月初め、スタートは<いまいすみのすまい>のプレカットについての大詰めの打合せ。
君島建築さん、担当する大工職、木材商の共栄さん、プレカット工場の金平ウッドテックさんに集まっていただいて質疑内容などの検討を行いました。
時間を忘れるくらい白熱?した打合せで、気づいて時計を見ると2時間半を超える打合せになっていました。(^^;
そんな打合せの内容を確認したプレカット施工図をチラッとご紹介・・・2階床・梁のレベルを描いた図面です。
数か所、柱や梁の芯ズレなど変則的なところの検討して・・・ちなみに芯ズレしている部分は全て機械加工でなく手加工になるそうです。
構造材がそのまま現わしになる化粧材の樹種、寸法、加工方法などを確認して、
さらに、建ててしまうと加工が難しくなってしまう、建具鴨居の溝、電気配線の溝まで、プレカット工場で加工してから現場へ搬入します。
打合せ内容を反映させたプレカット施工図を修正して確認が終われば木材の加工へ進みます。
そして、現場では「丁張り」から
「丁張り」とは工事を始める前段階の作業で、杭や糸を使って施工の基準となる仮設物をつくる作業。
理由はよくわかりませんが「丁張りを掛(架)ける」などと云い、基準となる壁芯に水糸を張るところから始まります。
丁張りでは建物の位置だけでなく高さの基準となる設計地盤面を決めて確認することも必要です。
高さを測定する「レベル」という測量機器を使うのが一般的になっていますが、以前は(←かなり以前?)
容器に入れた水面の高さは、一定の気圧のもとでは高さが水平になるという理論を利用した、水盛り管と云う道具を使って
水平を測定していたことから「水盛り」などともいわれています・・・ぼくも現場では見たことがありませんから、かなり昔の話だと思います・・・。(^^;)
高さの基準になる動かない工作物を設定し、そこから建物の地盤面を設定して高さの確認をします。
作業に使われる道具は日々進歩していますが、「現場で現寸を目で確認する」ことはとても重要なことだと思います。
今までは紙の上、CADのデータの中にあったモノがいよいよ現場へと写されて、本格的な工事の始まりです!
12月半ばを過ぎて、午後一番からコンクリート打設。
いつものように、現場に到着したコンクリートミキサー車の納入書から、呼び強度、スランプ値(コンクリートの柔らかさ)などを確認してゴーサイン!
コンクリートは打設時の気温によって強度が左右されるため、外気温に応じて打設強度を変えて設計強度になるように強度の補正をします。
打設後28日までの予想平均気温が8℃未満の場合、冬季として温度補正として、6(N/m㎡)の補正値を加えて、27(N/m㎡)のコンクリートを打設しました。
現場に到着したコンクリートミキサー車の黄色いボディーがピカピカだったので、コンクリートの話ではなく、コンクリートミキサー車の話に脱線。
コンクリートミキサー車は、どうしてタンクが下向きなのに、上からコンクリートが出てくるのでしょう?
現場でもそんな話になったので・・・
原理は<アルキメディアン・スクリュー> 別名アルキメデスの螺旋で、傾斜した筒の中の螺旋状のスクリューを回転させて連続的に水をくみあげるポンプのこと。
コンクリートミキサー車のドラムに中には二重の螺旋状になったブレードが取り付けられていて運搬中にコンクリートが分離しないようにかき混ぜています。
ドラムを逆回転させることで上からコンクリートが出てくるという仕組みです。余談ですがコンクリートミキサー車の新車価格は、最大積載量4トンで約600万円程度だそうです。(^^;)
最初のコンクリート打設から少し時間が空きましたが、その後基礎立上りの部分のコンクリート打設を終え現在、
養生期間を経て型枠脱型のところまで進んでいます。
型枠を外す時、上手くコンクリートが打ち上がっているか、ワクワクドキドキするものです。
今回は外壁脚部立上りと外壁仕上の取り合い部分が簡潔に取合うようにと、少し工夫をしてみたところなので尚更でした。
基礎天端部分を25㎜×45㎜欠き込んで、外壁水切りを省略してみよう・・・という試み。 GRⅢx ネガフィルム調
縦方向の45㎜の許容範囲は、マイナス方向は45㎜を絶対下回らないこと、プラス方向は+5㎜まではOK、でも横方向の25㎜の許容範囲は±1.5㎜で・・・というオーダーでした。
型枠の精度を考えると誤差±1.5㎜と云うのは、かなり難しいところなのですが・・・そういう気持ちで施工してくださいとお願いしました。(^^;)
脱型してみると、まあまあ〇・・・と云ったところで、
でも、通りが通っていないところはサンダーで削ったり、角が出ていないところはモルタル補修をしていただいたりして、なんとかOKを出しました。(^^;)
そんなやり取りをしながら工事は進んでいくのでした。(^^
建築家は優れた人間観察家でなければならない