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2021.06.20 溝口 泰史
佐野のみぞぐち建築設計事務所の溝口です。
少し前の話ですが、設計させていただいた建物がテレビデビューを果たしました。…と言っても地元の佐野ケーブルテレビですが〜。
そのコーナーは佐野の「ブラタモリ」(…と自分は思っています。)こと「かずさんぽ」です。内容はリポーターの「かずさん」が佐野市内の町内をのんびり散歩しながら、その町の見所などを紹介するゆる〜い企画。
この日「かずさん」は旧葛生町の紹介で宮本町を訪れていました。そこで自分が2016年に設計した「宮本町公民館」がチラッと数秒だけ映りました。
この公民館の軒先の屋根がかかった場所でおばあちゃん3人が談笑している所にリポーターの「かずさん」が話しかける所ですが、こんな使われ方を想定していたので、その通りに使われていることに設計者としては嬉しい瞬間でした。
自分のホームページ内の設計趣旨にも記載をしましたが、設計依頼が来た時には間取りを始めプログラムはほぼ決まっている状態でした。仕事の内容としては見積もりができるように詳細な実施図面を作成し、各種許認可(建築確認申請など)を取るというものです。しかし、自分も設計者の端くれ、色々と意見をして手を加えたくなってしまうんです。
生意気にも意見をした一つがこの軒下空間の設置です。もちろん当初はこの空間はありませんでした。しかし、町の小さな公民館であってもそれは立派な公共建築、みんなで使うものだと思うのです。それはイベント開催時ではない休館時も同様にです。もちろん管理上の問題もありますから、建物内にいつでも入れるのは無理な話です。じゃあ外部ぐらいはいつでも使えても良いのでは、と言う考えからあの軒下空間が生まれました。
意見をして半ば強引に設けた空間ですが、設計している時は「こんな風に使われたらいいなぁ」と言うもので確証はありません。それなので、実際に想定していた通りの使われ方をしていてなおさら嬉しかったですし、それと同時にホッとしました。
ちょうどよい「距離感」、溶け込むような「佇まい」、気持ち良いと思える「居心地」の3つを大切にしています。