先日は地盤調査が始まる現場へと。調査方法はボーリングによる標準貫入試験です。

ボーリングと云っても球を転がしてピンを倒す「ボウリング」ではなく「ボーリング」です。

まずは、トラックからヤグラをおろして・・・

手順はヤグラを組んでロッドをセットして、先端にサンプラーを取り付けたロッドの上の重りを自然落下させて打撃します。

サンプラーを地面に30cm、めり込ませるのに要する打撃数を「N値」といい、このN値によって地耐力が判る・・・と云った試験です。

と云っても、よくわかりませんよね・・・。(^^;)

まあ、地面に刺した棒状のものを既定の深さ貫入させるのに、どれくらい打撃するのか?と云った試験です。

当日は穏やかなと云うか、暑い!といった陽気で、その日のニュースでは夏日を記録したところもあるとのことでした。

ボーリング調査が始まった現場の片隅で見つけた「オオイヌノフグリ」 GRⅢ 適宜トリミング。

午後には基礎工事が進む現場で配筋検査。

大きな指摘事項もなく一昨日(3月15日)打設するコンクリートの話になって

夏日になるような陽気のため「温度補正はどうしましょうか?」・・・と。回答は設計図に記載されてる通り補正は「+3」で打設を指示。

この「温度補正」って、ということで、ここからはチョット固めの話で・・・

建築基準法のなかに「構造物の強度は設計基準強度を確保する」と書かれています。

でも、コンクリートは工場で製造された後に型枠内で強度を増していくため、鉄筋や鋼などの工業製品と違い均一な強度を確保する事が難しい製品です。

外気温が低いと硬化速度が遅く、高ければ硬化の進行は早まります。

そのため、コンクリートは外気温に応じて打設強度を変えて、28日後の強度が設計基準強度になるように調整します。

まあ、設計基準強度に「かさ上げ」をするといったところです。これが「温度補正」です。

2015年以前の温度補正は寒い冬の温度対策が中心で、外気温が3℃~8℃の冬季には、設計強度に6(N/㎜2)を加えたものが

そのときに打設するコンクリート強度としていました。

たとえば、設計基準強度を21(N/㎜2)としている場合は、打設強度は21に6を加えて、27(N/㎜2)のコンクリートを打設します。

そして、外気温が16℃以上になると、特に補正(かさ上げ)は必要ありませんでしたが、温暖化が進んだ現在は夏の暑さ対策が必要になってきています。

これは、暑さのためにコンクリートの硬化が止まってしまうということが判ってきたためです。

一般的に、日平均気温が25℃を超える時期に施工する場合は、暑中コンクリートとして考慮しなければならないとされています。気温が高く日射も厳しい夏場では、必然的にコンクリート温度が上がります。コンクリート温度が高いと、強度や耐久性の低下といった問題に繋がるのです。

なので、現在では、冬も夏も温度補正が必要だと云うことになっています。

以前は「温度補正」と云っていましたが、今は「構造体強度補正」と云うことになっています。

と、チョット固めの話題でした・・・コンクリートだけに・・・御後がよろしいようで (^^;) 

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