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換気量の実測

2024.05.31 佐藤 大介

猫

創右衛門一級建築士事務所の佐藤大介です。


R6.5.31(金)[曇り/雨]

本日、一昨年より時間を置いていた物件の
再始動が正式に決まりました。
あれも…これも…
楽しみにしていた物件ばかり…ありがたい。

昨日午前中は、
今年度より新たに加わった土蔵の保存修理の現調。

今回の土蔵は、割りと新しめで
明治7年建築の土蔵。
牛梁に墨字で“紀元二千五百三十四年”と
書かれていました。
6月中に既存調査を終わらせます。

はり

[牛梁の墨字]

そして午後は、
建築士による建築士のための見学会
“建学會”vol.5に参加。

株式会社アルシス RAKUYAさんの
モデルハウスを見学させていただきました。

プラン、納め方、断熱方法、換気についての考え方、営業方法 etc…
ディスカッションの中で、
“プロとプロのコラボレーションによる相乗効果”の話しは特に面白かった。
是非とも取り入れたい事です。

同業の同じ方向を向いている仲間の話は学びが多く
刺激ある楽しい時間となりました。



換気と言えば…
つい先日、自宅の換気量を実測しました。

換気回数

換気回数
日本の建築基準法では、
住まいの居室換気量は0.5回/h以上と定められています。
1時間にその部屋の空気を0.5回入れ替えなさい…と言う数字。

例えば…
LDKの容積が70㎥であれば÷2の35㎥
1時間あたり35㎥の空気をいれかえなさい!
風量35㎥/hを超える換気扇を設置する必要有り。

換気回数基準以外にもう一つの考え方として、
CO2濃度で換気量を判断する考え方。

450ppm〜700ppmが健康的な室内のCO2濃度で、
1人に必要な空気量は30㎥/h程度との事。
ちなみに屋外のCO2濃度は410ppm。
(インターネットより拝借)

我が家のdata
換気扇:ガデリウス/ダクト式第三種換気『JBDG』
住人:3人家族+猫2匹〈viviと大和〉
全容積:302.63㎥
設計換気風量:176.40㎥/h
設計換気回数:0.58回

猫

[黒が大和/トラがvivi]

実測風量:123㎥
実測換気回数:0.40回
∴換気回数0.5回未達成

未達成の理由は、リビングに設置してある
CO2濃度測定器にて常時計測し、
3人+2匹でも概ねCO2濃度700ppm以下な事より、
換気風量設定を設計時より10%下げて運転させてます。

換気量は、必要な分だけの換気量としたい所です。

実際に最低必要な換気量を
家族3人×30㎥/h+α(猫2匹)の条件より≒100㎥と考えると、
実測換気量が123㎥で、CO2濃度がMAX700ppm以下であれば、
1人あたりの必要換気量30㎥/hも
概ね間違いない量ではないでしょうか。

実測の成果として、
子供部屋と寝室の換気量が少ない事がわかった。
他の部屋の換気量を計測しながら、
上記2室の吸込口開度を広げ換気量を調整してみた。

結果、全体換気量を変えずに
2室の換気量を上げる事ができた。

何で???…

換気量の少なかった子供部屋と寝室の吸込口は、
開度が狭すぎて上手く吸い込まれなかったようです。
実際、調整した開度は1㎜もいかない0.7㎜程度…
そんな微調整で3㎥⇒12㎥まで換気量がUPされました。

無駄に電気を使っていたと反省…

それにしても計画換気風量176.40㎥/hに対して、
-10%運転で実測123㎥は少々少ない気がします。
ダクト長さ、曲管部分の圧力損失の検討が甘いように感じます。

次回に活かすべく反省点。



意匠と性能の両立した住まい…
創右衛門一級建築士事務所
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