みなさん、こんばんは。
RENGEの工藤です。

 

最近は、専門学校で環境工学を教えていることもあり
以前とはまた違った形で温熱環境のことを考える

ようになりました。

おかげで断熱性能を検討することがとても面白いと感じています。

 

そんな状況からか、最近は建物の断熱性能についてご相談いただくことが

増えてきました。

 

 

先日もご縁をいただいたお施主様へUA値などの説明をさせていただきましたが

1つ1つご理解いただけるのは楽しいの一言です。

そんな時お世話になるのが、エネパスの燃費計算シミュレーションと
たまにLIXIL省エネ住宅シミュレーションを使用しています。

 

断熱に関わるさまざまな情報を入力して計算をするわけですが、
何がいいって、1つは性能によって変わる光熱費の比較が出来ること。
もう1つは、その違いを材料データの入力を少し変えるだけで確認できる

こと。

 

材料の良し悪しはもちろんありますが、問題なのはそれをどのように、どのくらい

使うかなので、どんなに良い材料を使ったとしても目指す性能にならなければ

意味がないというわけです。

 

 

その点、シミュレーションを行えば一目瞭然で建物の温熱性能が把握でき、
それをもとに、どのくらいの暖冷房が必要なのか、年間光熱費がどのくらいに

なるのかを推測することが出来たりします。

 

 

ただ、難しいのはコストとのバランスです。

 

ある程度性能の高い住宅になってくるとUA値は0.01を詰める作業に

なってきたりします。

 

例えば、冬の場合にUA値0.01に対して外皮面積が500m2だったとすると
室内外の温度差1℃(1K)に対して500m2×0.01=5Wの熱が外へ逃げていく計算に

なります。

 

室内の設定温度を20℃としたときに、外気温が-5℃となった場合には
温度差は25℃(25K)となりますから、5W×25℃=125Wの熱が逃げていくことに

なります。

 

問題は、この125Wの熱を軽減するためにどのくらいのコストをさけるのかということ。

ただし、だから無駄という話ではなく、コストをかけることで快適で健康的な暮らしが

手に入り、ある程度経済的なメリットも想定されます。

 

ただ、かけた分のコストに対する享受できるメリットの量感、つまりこすとパフォーマンスが
性能が上がれば上がるほど鈍ってきますので、これをしっかり見極めてプレゼンテーションして

いくことが大切と感じています。

 

 

そもそも、私は設計事務所のいち設計者であり、建物のデザインや空間性などにも

注力できればと考えていますから、基本的にはどうバランスをとるかを模索しています。

 

 

目で受取る視覚情報による「快適」=空間デザイン

体感的に得られる「快適」=温熱性能

日常動作のなかで得られる「快適」=利便性・動線

 

これらのことを大切にしながら日々設計を行っています。

 


「いずみのいえ」も順調に進行中

 

建築設計事務所 RENGE
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栃木・埼玉の建築家集団 ハピケン
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