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2026.06.12 宇賀神亮

マンションの平均購入価格が過去最高を更新しているそうです。
東京23区では平均1億円を超える驚くべき水準に達しています。
宇都宮市でも駅周辺や市街地を中心に再開発が進み、マンション建設が続いています。
私は、前職でマンションの設計に携わった事がありました。
その経験を踏まえ、設計者目線で見るマンションの実情を少しお話できればと思います。
決してマンションの購入を否定するわけではないのですが、これだけマンションが建つということは、=儲かっている、ということでもあり、どうやって儲けを出しているのか知っておいてもいいのではないかと思います。
マンションの設計で重要なことは、徹底的なコスト管理です。
例えば、階高がタイルの割付寸法で決まるような世界です。タイル1枚分の高さ、僅か60㎜を削ることで、コストを下げるのです。
バルコニーの手摺にガラスを使うのは、コンクリートでつくると荷重が重い分、鉄筋が余計に必要になるからです。
内装の仕上に至るまで、全てが、そんな調子で決まっていきます。
設計する身からすると、利益優先となると、なかなか思うような建築を描くことは難しくなります。
また当然、一人一人にあわせた設計はできませんので、標準化したものを選んでいただく形になります。
間取りは随分とバリエーションが増えましたが、未だに3LDKが主流です。
投資用に購入される方も多いので、当たり障りのないものをつくるのも仕方ないのかもしれません。
もちろん、多数の住戸を安定した品質で供給し、管理し続けるためには、標準化やコスト管理が不可欠なのも事実です。
しかし、いざ住むとなると、あまりにステレオタイプの生活を強いられているように思えてなりません。
設計者は住まい方の提案はしますが、実際の生活は住む人に任せることになります。
だからこそ、任せられる器として、その人にあった住まいを設計をすることが大切だと考えています。
マンションのように、決められたものから選ぶのは楽ですし、日々の管理も最小限で済みます。
しかし、生活するとは楽だけではなく、大変なことも引き受けることではないでしょうか。
その先に自分らしい暮らしがあるように思います。
自分の生活をどこまで人に委ね、どこを自分で引き受けるのか。
一度立ち止まって考え、自分にあった住まい方を選んでほしいと思います。

その場所、その人「らしさ」が自然と滲み出る住まいのことを「いい家」と呼ぶのだと思います。