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2024.09.17 村上 有紀
先日、現調で坂道に立つお住まいを訪問。
南道路と北道路に面し、道路から平均で1~1.5mほど上がっています。
そこに、65年前に建てられた平屋の木造住宅、その裏手、北側に倉庫、ガレージ、
その隙間を半透明の屋根で覆って、裏の畑へとつながる。
南の庭側にはコンクリートのガレージが立ち、その屋上が母屋の縁側の先へと続き、
遊び場にもなっている。またそれぞれの建物の隙間に、中間領域的な半屋外空間や庭がある。
そんな、探検心をくすぐられるような、とっても楽しい敷地でした。
(私が生まれ育った家もそんな感じでです)
おそらく昭和の時代に増築に増築というかたちで出来上がったであろうお住まいでした。
今の時代には法規的にも実現しないであろう形ですが、65年という時間を通してみると、
臨機応変に成長してしていくような生命力が感じられます。
木製の引き戸があったり、模様がついた型ガラスのアルミサッシがあったり、
その時々の建材が使われているのも面白い。
ちょっとした混沌というか、敷地が小さな街のように感じられるようなライブ感です。
また、お庭の風景を大切にしていただろうことがあちこちに。
ひだまりの庭もそうでうが、ガレージの屋根と庭の擁壁の間に
庭を楽しめるスリットが設けられていたりするところに、
普請好きだった家主の面影を感じます。
まずは、この建物群をどのように整理していくか、俯瞰するところから。
ベースとなる敷地にどう手を入れていくべきかも悩むところです。
住んでいる人もおそらくどんな敷地なのか把握するのは難しく、
敷地の可能性を紐解くところからスタートです。
ひらく設計舎 村上有紀
開く、展く、啓く、拓く、ひらく。豊かで楽しく居心地のよい「うちとそとの間」をテーマにしています。