こんにちは、ひらく設計舎の村上です。

先日「こどおじ」という言葉を聞き、
それが「子ども部屋おじさん(おばさん)」の略語と知り、その揶揄するような使われ方に、
ちょっと複雑な思いになりました。ので、本日は子ども部屋についてのあれこれです(笑)

家づくりは、家族の変化や節目がある子育て世代の家づくりが多く、
家づくり雑誌などの話題に定期的に取り上げられています。

ちょうど20年前ころは、『頭のよい子が育つ家』という書籍が出て、
家づくり系雑誌の特集もそんなタイトルが並びました。

この本は、中学受験で倍率の高い進学校に合格した家庭を調査したところ、
だれも子ども部屋で勉強していなかった!という結果を紹介しつつ、
どんな間取りや住まい方や家族関係が、よい結果に影響したのかをまとめた本です。

その後、ハウスメーカーでは、この著者や教育関係の著名人とのコラボプランが出たりして、
リビング学習、家族の本棚、ホワイトボードなど、一般の人にも広く認知されるようになりました。

一方で、「ひきこもり」という言葉が生まれ、社会問題化したりして、子ども部屋のあり方は、
家族のあり方や、社会問題とリンクして語られていますね。
子ども部屋おじさん(おばさん)も、複数の社会的な問題とリンクして議論されています。


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そんなことを考えながら、子ども部屋について考えてみると。

いろいろなご家族の形があるけれど、子ども部屋に限らず「子どもの居場所」へのご要望には、
その親御さんのお子さんへの愛情が現れるなぁ、といつも思います。

最近の主流は「コンパクトに」「家族の居場所に近く、開いて」というものが多く、
「子どもとの時間」を楽しめるようなつながりをつくることが多いです。

「自然素材に」という要望も多く、それは「健やかに」という願い、
「内装材の色や柄は選ばせたい」というご要望は、家づくりの楽しさを体験させてあげたい、
という気持ちが感じられます。

何より子どもにとっては、「自分の好きなもの」で飾れる空間を得るというのも、大きな楽しみの一つ。
どんな部屋にしようか、というワクワク感は、家づくりのそれと同じです。

4人兄弟のそのワクワク感にこたえたいと思った、お子さん4人(女・男・女・男という順番)のご家族の子ども室。そろそろ小学校高学年になるお姉ちゃん・お兄ちゃんに個室をとのご要望でした。保育園と赤ちゃんという下のお子さんたちには遊び場を。

4.8畳の中央に2段ベッド造作をはさんで、2部屋の個室をとっています。手前の広いところは、下のお子さん2人も加えた、4人で使う遊び場(4.5畳)。住宅密集地(新防火地域)の内装制限もあり、白い空間です。

2段ベッドの上段側は男の子のお部屋。
引き込み戸と、天井はつながるようにして、少しでも開いて使えるように。

2段ベッドの下側はお姉ちゃん。

家具が入るとこんな感じです。ミリ単位で細かく寸法を確認しています。囲まれ感がいい居心地だったりします^^

「自分のスペースが生まれたこと」をとても喜んでくれたのが、本当にうれしいお仕事でした。