先日、「60代からの家づくり」というテーマでお話しする機会がありました。
子どもが独立したり両親と同居したり、と家族構成が変わったり、
定年退職を迎えたり、身体的に「予防ケア」が必要になってきたり、
これまでの生活とこれからの生活を考えるタイミングです。
ご両親との同居となると、将来的にデイサービスや生活支援ヘルパーなど、
外部サービスを利用するケースも考えられます。
また、この20年ほどで、住宅は、社会的資産として「長く使うもの」という作り方にシフトし、
次の世代にどう使われるか、も考えるところ。
親としては、自分の子どもや孫が住み継いでいくなら理想的ですが、
働く場所や家族の事情で、活かせない可能性もある。
不確定要素が多いのも悩むところ。
家族年表をつくってみたり、家族で将来のことを話してみたり、
時には相続のことを考えてみたり、
そんな家族間コミュニケーションが必要です。
家づくりは家族の関係性を「住まい」という形に落とし込むことでもあります。
写真は60代のご夫婦の住まい。
独立した子どもたち家族との関係性は、「帰省した時に集まって泊れる場所を用意しておく」こと。
普段は上の写真のように洗濯物を畳んだり、ごろんと横になったりという日常使いの畳のスペースが、
帰省時には、下の写真のように旅館のように泊れるスペースになる。
そんな形となりました。
ひらく設計舎 村上有紀
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