古民家再生は完成すると美しい古き建物ですが、準備段階は悪く言うとゴミをどうするかに近いものかも知れません。

丁寧に解体を進めると、昔の職人の知恵や苦労が見えてきます。また200年近く維持してきた苦労と意味も見えてきます。

もう住人は寒くて暗くて、住みづらい家でしかありませんが、ごみにしてしまってはもったいないですね。大工と設計事務所数人で番付を振りながら、図面を作成しながら解体準備を進めます。出来れば「ここで」修復したいものですが、大きすぎる事もあり実現できません。先ずは元住人にとっては解体費用が助かり、部分的にせよ、この建物が生き延びる事が救いです。購入者にとっては大きなリスクがありますが、これを逃すと手に入れられない大きな魅力を持っています。

最終的には、いろいろ有って、囲炉裏のあった部屋部分と小屋裏を再利用して復元しました。構造、断熱性能などは今の家になっています。新築で同じようにつくろうとしても出来ない色合いです。苦労話は山ほどありましたが、先ずは古い建物が部分的にせよ生き延びました。大きな魅力を伝えながら・・・